出版物
CUEE/PEER若手研究者ワークショップ
建築学専攻(助教) 松井良太
1.はじめに
平成24年3月5日(月)に,CUEEとPEERの若手研究者によるワークショップが,第9回都市地震工学国際会議(9th International Conference on Urban Earthquake Engineering & 4th Asia Conference on Earthquake Engineering)の随伴行事として開催されました。今回で第5回目の開催となり,主にPEER,CUEEに所属する若手研究者が参加し,鹿島建設株式会社の技術研究所(以下,鹿島技研)および東京工業大学の大岡山キャンパスに新設された環境エネルギーイノベーション棟(グリーンヒルズ1号館,以下,EEI)の見学会,テクニカルセッション,懇親会が行われました。
2.見学会
午前に鹿島技研(写真1),午後にEEI(写真2~4)の見学会がそれぞれ開催されました。鹿島技研では,東京工業大学の笠井和彦教授が同席され,鹿島技研の所員の方々が案内下さり,長周期地震動を再現できる震動台,台風に匹敵する風速を再現できる風洞実験施設,黎明期における免震構造建物などを紹介いただきました。EEIの見学会では,東京工業大学の竹内徹教授が案内下さり,建物の外装一面に設置された約4500枚の太陽光パネルにより最大で650kWの電力を自給でき,CO2発生量を60%程度軽減できるという環境に配慮した点などを説明戴きました。両見学会では,参加者から多くの質問が寄せられ,大変有意義な時間を過ごすことができました。
![]() |
![]() |
|
写真1 鹿島技研訪問 | 写真2 EEI見学会1 | 写真3 EEI見学会2 |
![]() |
![]() |
![]() |
写真4 EEI見学会3 | 写真5 テクニカルセッション1 | 写真6 テクニカルセッション2 |
3.テクニカルセッション
テクニカルセッション(写真5,6)は,大岡山キャンパス蔵前会館の大会議室にて行われました。15名の若手研究者が各人10分程度の発表を行い,5分ほどの質疑の時間が設けられました。昨年発生した東北地方太平洋沖地震にて発生した津波のメカニズムや,地盤の液状化についての分析等の震災被害の再現,RC造や木造の耐震性能に関する研究等,多岐にわたる内容が紹介され,活発な議論が交わされました。
【発表者】(発表順)
Mohamed Amrouche (東工大),Dong Youp Kwak (US Los Angels),Darren Chian (東工大),Daniel Moreno (Stanford Univ.),Lin Ke (東工大),Michael Olsen (Oregon State Univ.),K. Manoj Madurapperuma (東工大),Deepak Rayamajhi (Oregon State Univ.),Kabir Shakya (東工大),Sam Sideras (Univ. of Washington),Youhao Zhou (東工大),Catherine Whyte (UC Berkeley),Yu-Chen Wei (National Central Univ.),Vensa Terzic (PEER Center),Scott Swensen (Stanford Univ.)
4.懇親会
懇親会は,JR大井町駅周辺のお店で開催されました。PEER側の参加者は,普段口にすることのない刺身などの日本料理を関心深く味わっていました。会は全体的に和やかな雰囲気で滞りなく進み,CUEE側とPEER側の参加者同士の会話も弾み,より互いに打ち解けあう光景がみられました。
5.最後に
開催当日はあいにくの雨模様でしたが,見学会やテクニカルセッションにて参加者各人が熱心に議論を交わす様が見られ,若手研究者にとってワークショップは良い交流の場になったと感じられました(写真7,8)。このワークショップを通して,若手研究者同士が密に交流を図るようになり,地震工学の国際連携がより発展することがあれば幸いです。この場をお借りして,当日見学会でご案内いただいた鹿島建設技術研究所の皆様,笠井和彦教授,竹内徹教授,お手伝いいただいた事務局,学生の方々に深く謝意を表します。
Organizing Committee:Troy A. Morgan,松井良太,崔瑶,石田孝徳
写真7 参加者(鹿島建設技術研究所)
写真8 参加者(環境エネルギーイノベーション棟)