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University of California, San Diego研究訪問
建築学専攻 竹内研究室 博士課程2年 松井 良太
平成21年10月19日、University of California、 San Diego(以下UCSD)においてCUEEの若手研究者による研究訪問が行われました。UCSDはCalifornia州San Diegoの郊外に位置し、広大な敷地内には数多くの建物が連立していました。UCSDはキャンパス外に設置された振動台など(写真1)やキャンパス内に位置する巨大な2軸のアクチュエータを有する加振台(写真2)等、豊富な実験設備を有しており、以前訪問したUniversity of California、 BerkeleyやUniversity of Illinois at Urbana-Champaignなどといった米国の地震工学研究を代表する他大学と比較しても、全く遜色がなく、地震工学に関する研究活動が盛んに行われている様を目の当たりにすることができました。ここに、研究訪問の概要を簡素に報告します。
午前中はUCSD博士学生2人の案内で、写真1に見るような振動台実験施設を訪問しました。振動台実験施設はUCSDのメインキャンパスより、車で15分程度離れた場所に設置されており、今回は実験を実施している様子を見学する機会には恵まれませんでしたが、既に実施された実験の状況を動画で拝見することができました(写真3)。3層のレンガ造建物の一方向動的載荷実験や、繊維補強を施した鉄筋コンクリート柱の衝撃載荷実験など、地震工学に対する意識の高さが垣間見え、非常に価値の高い研究をされている様子が見受けられました。振動台実験施設を後にし、UCSDのBenson Shing教授及びChia-Ming Uang教授と日米における研究状況について助教及び学生を交えて会談しつつ昼食を取り、午後からキャンパス内に設置された実験施設を巡回しました。Shing教授はコンクリート構造工学、Uang教授は鋼構造工学がご専門で、実大の試験体を用いて多数の力学的挙動を確認する実験を実施されています。両教授の熱心で、丁寧な実験施設のご紹介やご講義(写真4)を賜った後、講義室を利用してCUEEの参加メンバー各人が現在の研究状況について両教授に紹介しました(写真5及び写真6)。両教授のCUEEの研究に対する興味深さが感じられ、研究に対するご質問や貴重なご意見を頂きました。こうした、両教授のご意見を通して、現在の日本で行われている地震工学研究が米国においても価値あるものと判断されている様子が感じられました。最後に、今回のUCSD研究訪問は、本学笠井和彦教授の研究室に所属しているTroy Morgan特任助教がUCSDのShing教授及びUang教授に依頼され、お二人のご厚意により実現することとなりました。貴重な訪問機会を与えて下さったUCSDのBenson Shing教授、Chia-Ming Uang教授並びに博士学生のお二人と、UCSDとCUEEの親睦を深めるために尽力されたTroy Morgan特任助教に深謝致します。
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写真1 UCSD学外の振動実験施設 | 写真2 UCSD学内の2軸加振機にて |
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写真3 実験概要の説明 | 写真4 Uang教授による講義 |
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写真5 CUEE研究紹介 | 写真6 集合写真 |