English Sitemap
Home
Cuee
People
Research
Education
Events
Outreach
Publication
Partnerships
Openings
Link
Internal

 ■ 液状化・側方流動地盤における杭基礎挙動に関するCUEE/PEER共催ワークショップとASCE論文集の出版

東京工業大学  時松孝次、鈴木比呂子
カリフォルニア大学デービス校  Ross W. Boulanger

 液状化・側方流動地盤における杭基礎挙動の解明に関するワークショップは、 2005 年 3 月 16-18 日にカリフォルニア大学デービス校で開催された。日米の研究者を中心とした液状化・側方流動地盤における杭の挙動に関するワークショップは、 1995 年兵庫県南部沖地震後の 1998 年 9 月、および 2002 年 10 月に東京で開催しており、今回で 3 回目となる。今回のワークショップは米国 NSF のプログラムによる PEER と文部科学省の COE プログラムによる CUEE の共催として行われた。カリフォルニア大学デービス校は米国に 15 箇所ある NEES の1拠点であり、世界最大規模(半径 9m )の遠心載荷装置を有し、この装置を用いて側方流動地盤・液状化地盤における杭基礎構造物の実験を始めとする、多くの地盤実験が行われている。

 ワークショップの目的は、液状化地盤・側方流動地盤における杭基礎挙動について最近の研究で新たにわかってきたことを研究者間で共有し合いコンセンサスを得ること、さらに、それらの成果を杭基礎被害の低減にどうのように生かしていくかを議論することである。また、成果を杭の設計にどのように取り込むか、設計における地盤 - 杭の非線形数値解析の役割、簡便な設計法の確立を議論することも重要な目的である。

 参加者は日本、米国、英国、台湾からの 47 名で、全 34 編の講演が行われた。 3 日間の活発な議論により、過去のワークショップで議論された杭基礎挙動の実現象にはより統一的な解釈が生まれ、このようなワークショップにおいて異なる国の異なる研究グループ同士の意見交換を行うことで、研究および技術の向上を図れることが確認できた。その一方で、より複雑な問題である解析手法や設計手法など、得られた成果を実務にどのように生かしていくかについても議論された。このようなテーマに対しても、今後の数多くの研究等を通して明確な道すじができることが望まれるが、そのためには、多くの研究者の知恵とその連携が必要である。今後もこのような有意義なワークショップが数多く開催され、地震被害の低減に貢献できることが期待される。

  発表された 34 編のうち 25 編を掲載した論文集が、 2006 年に ASCE の Geo-Institute の支援を受けて出版された( Geotechnical Special Publication No. 145, ASCE )。このような出版物を形に残すことができたこと、また、各国の研究者と有意義な意見を交換ができたことなど、多くの成果を得られたワークショップであった。  


 Presentation of Doctoral Student



Footer