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総合理工学研究科人間環境システム専攻 
教授 大町達夫 
  1. はじめに

     文部科学省による新規事業として、平成14年度から21世紀COEプログラムが開始された。COEとは、Center of Excellenceのことであり、主として研究面において高いポテンシャルにあると評価される大学院専攻等が選定される。

     このプログラムは、わが国の大学に世界最高水準の研究教育拠点を学問分野ごとに形成し、研究水準の向上と世界をリードする創造的な人材育成を図るため、5年間にわたって重点的な支援を行い、もって、国際競争力のある個性輝く大学づくりを推進することを目的としている。

     全国の国公私立大学からの申請に基づき、書類審査とヒアリングによって評価が行なわれる。次の項目が評価(審査)の基準とされている。

    ○当該分野における研究上、優れた成果を挙げ、将来の発展性もあり、高度な研究能力を有する人材育成機能を持つ研究教育拠点の形成が期待できるもの。

    ○学長を中心としたマネジメント体制による指導力のもと、個性的な将来計画と強い実行力により、世界的な研究教育拠点形成が期待できるもの。

    ○特色ある学問分野の開拓を通じて、創造的、画期的な成果が期待できるもの。

    ○21世紀COEプログラムで行なう事業が終了した後も、世界的な研究教育拠点としての継続的な研究教育活動が期待できるもの。

    分野構成と対象分野は下記のとおりであった。

    (平成14年度公募)[生命科学]、[化学、材料科学]、[情報、電気、電子]、[人文科学]、[学際、複合、新領域]

    (平成15年度公募)[医学系]、[数学、物理学、地球科学]、[社会科学]、 [機械、土木、建築その他工学]、[学際、複合、新領域]  [機械、土木、建築その他工学]分野へは、78大学から合計106件の申請があり、最終的に23件が採択された。

  2. 「都市地震工学の展開と体系化」の申請概要

     1995年の阪神 淡路大震災以降、社会の防災力向上に向けた種々の提言や施策がなされてきたが、残された課題も多い。都市震災の軽減には、学問と実務の有機的連携が必要不可欠である。本学は地震工学の優れた研究者を多数擁しているが、所属は大岡山の4専攻(土木工学、建築学、国際開発工学、情報環境学)とすずかけ台の2専攻(環境理工学創造、人間環境システム)に分散している。当分野での本学の総力を結集することで、日本を代表する世界最高水準の教育研究拠点に発展することが期待される。

     現代都市を、モノ(都市施設)、ヒト(市民)、社会(都市システム)の3要素に分けてみると、各要素が、老朽化、高齢化、複雑化などの問題点を内蔵しており、ひとたび大地震に直撃されると、未曾有の大災害や世界的波及が危惧される。そこで、先端的技術で防災都市づくりをめざす都市防災先端技術、安全で快適な都市への再生をはかる都市再生防災技術、及び両者の推進戦略を構築する都市防災技術戦略、という3つの研究課題を設定した。従来の地震工学では上記3要素のうち、モノの耐震性に主力が注がれてきたが、都市全体の総合防災力を高めるのが、我々の提唱する「都市地震工学」である。

     上述の研究を強力かつ効率的に推進するため、「都市地震工学センター」を設置し、国際共同研究やシンポジウム開催、海外研究者の招聘等の活動拠点とする。また教育面では、世界をリードする防災専門家の輩出を基本方針とし、アカデミックコースと実践コースからなる博士課程特別コースを新設する。本コースの学生や若手研究者には、短期英語力訓練、外国機関での研修、RA・TA・ポスドクの採用、国際会議への派遣、提案型競争的研究費の配分など、多彩な支援が提供される。これらの教育研究活動を通じ数年間で、体系化された「都市地震工学」に関する専門書を刊行するほか、博士課程特別コースを定着化した新専攻の設置も視野に入れて、COEとしての地歩を固める。

     関係各位のご支援とご協力をお願い致したい。
(審査報告からの抜粋)

 貴学には地震工学分野の優れた研究者が集まりつつあり、次第に日本の地震工学の拠点としての地位を固めつつある。特に、土木、建築、応用地震学などの関係する分野の専門家が特定の分野に偏ることなく集結しつつあることは、21世紀COEとしてさらなる発展を期待する理由の一つである。貴学の地震工学研究者は大岡山と長津田に分かれているが、COEとして共通の場が設けられることにより、地域的、専門分野間の距離が一層縮まり、日本を代表する世界最高水準の地震工学の研究拠点として発展するものと期待される。

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